日本人の花粉症の有病率は年々増加し,花粉症は約2.5倍の約40パーセントにも。まさに国民病といわれる病気です。
しかし、適切な治療を行っていないため、花粉症の症状を悪化させてしまったり、生活の質の低下が長引く方も多くいます。花粉症は仕事や家事効率の低下のみならず、学力、成績、記憶力の低下を指摘する研究調査もあり、早期に治療し重症化させないことが重要です。


花粉症治療で知っていただきたいポイントが2つあります。

ポイント1 治療の第1歩は花粉症の正しい理解から
治療のスタートは、花粉症をよく知ることから。この病気は、花粉をできる限り体内に入れない工夫が必要です。飛散シーズンはなるべく外出を避ける。外出時はマスク・メガネなどの防御をし、花粉が付着しにくい表面がサラサラした素材を選ぶ。また、帰宅時は一番外側のアウターを部屋に持ち込まない、ウエットティッシュで服の外側をぬぐうなど、花粉を部屋へ入れないことが大切です。

ポイント2 薬の内服は症状が軽いうちに
花粉が本格的に飛び始める頃または症状が少しでも現れた時点から薬の服用を始めましょう。症状がひどくなってから薬を服用しても、高い効果が期待できません。薬は本格的な症状が出る前に飲むことで、その症状を抑える働きをすることを覚えておきましょう。

薬による最新の治療 舌下免疫療法とは
近年、アレルゲンの入った治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」が登場しました。この治療はこれまでの飲み薬のような対症療法ではなく、長期にわたり投与して体質を変えることにより、根本的な改善を目標にした治療法です。
1日1回、毎日自宅で服用し3〜5年間にわたり服用を継続します。

舌下免疫療法のメリット
① 多くの人に効果がある
② 大きな副作用は極めて稀である
(またはほとんど無い)
③ 子供も服用できる
④ 自宅にて治療が可能 
(月に1回程度の定期的な通院は推奨されています。)

デメリット
①治癒をめざすのであれば、治療期間が3年から5年と長期
②スギ花粉・ダニのみ治療対象 その他のアレルギーの治療は現在(2025年6月)、まだございません。

舌下免疫療法は、体質から根本的に治療できるため、80%以上の人に効果があり、薬の副作用が少ないため、とてもお薦めできる治療法です。この治療法をもっと多くの方に知っていただき、治療を始めることにより、症状の軽減、生活の質(QOL)の大幅な改善につなげることができます。一度ぜひ、ご相談ください。